要約
中国政府は、これまでテック企業に対して強化してきた規制を緩和する姿勢を見せ始めた。
その結果、長らく不遇だったテンセントやアリババなどの中国テック大手株が急激に株価を回復させている。
背景にあるのは、従来の政府主導の景気刺激策だけでは経済回復に力不足だという危機感。
消費者信頼感指数の低下などから、民間企業の活性化が不可欠と判断したようだ。
一方で、不動産市場や消費の本格回復には時間がかかる見通しで、その間、テック大手の株価の回復に注目が集まっている。
深堀
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中国政府が打ち出した「民営経済促進法」の内容
- 商業銀行に対して民間企業への融資比率を定める可能性がある
- これまで民間企業には政策のみで対応してきたが、法律化することで経営の安定化と投資家の信頼につながる
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テンセントとアリババの株価推移
- 2021年初時点と比べ、テンセントは2割安、アリババは6割安の水準
- 24日以降の急上昇で、テンセントは約2年7ヶ月ぶりの高値、アリババは約1年7ヶ月ぶりの高値を付けた
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消費者信頼感指数の低下
- 7月時点で86と過去2番目の低水準
- 住宅ローン金利や頭金比率の引き下げでも、消費マインドの回復には時間がかかる
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国慶節の消費クーポン配布
- 上海で5億元(約100億円)分のクーポンが配布されるが、消費マインドの持続的な回復には限定的
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香港株式市場の売買急増
- 24-26日の3日間の売買代金が8月月間の4割に迫った
- 「これ以上悪くはならない」との見方から、投資家が中国株のポジションを増やし始めている
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