大好きな、辻村深月さんの本を読みました。
瀬戸内海に浮かぶ「冴島」は、人口三千人弱の小さな島。
島出身の高校生、4人が中心となって話が進んでいきます。
それぞれの視点で進められる物語は、島に住む他の人、関わる人、そこに「冴島の日々」があるのだと思いました。
前半は丁寧にとキャラクターや世界観、雰囲気を伝えてくれます。
離島にはポジティブな面だけでなく、ネガティブな要素もあることが書かれています。
少子化、過疎化、医師不足、地元民と移住者の確執、Iターンの受け入れ問題、シングルマザーetc…
物語の終末に向けて、それらが自然と紐づいてくるところが辻村さんの真骨頂だと思います。
ゆっくりと伏線を回収しながら、終盤に向けてスピード感があふれてくるところが好きです。
私の知らない世界を、少しだけ知る機会、考える時間を持てたことが嬉しかったです。
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